奇跡体験アンビリバボーでやってそうなこのお話はやはり実話を元にしてるみたいですね。こわ〜。
前半と後半とで2つのストーリーに分けて物語が進行していきます。その視点が極端に切り替わる作りになってて、ああおもしろいなと思いました。
ゴーン・ガールというタイトルの通り、失踪した妻ってことなのですが、この作品の本質はそこの部分の謎解きにあるのではなく、もっと別の深い闇と、複雑に交差した夫婦間のイビツなその構図にあります。
なぜ妻が失踪をしたのか、夫は妻を愛していたのか。それぞれの真実を知っている夫婦が仮面を被り続けそれを演じ続けていく。偽り、情報を、社会を、操作していく。
量りが指した重さ100gと一周回った1100gが同じ位置と誰かが歌ったような、そんなお話でした。
2時間30分と長尺作品ではありますし、目を見張るような大きな事も多いわけではないですが、静かに脈を打つ心地よいリズムといいますか、上質な見応えと深みのある作品と思います。