さすらいの旅人

ゴーン・ガールのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)
4.2
サスペンス・スリラーの秀作映画。CATV/ザ・シネマ録画視聴。

これは何と面白い映画だろう。そして、何と後味の悪い映画だろう。
さすが「セブン」のデヴィッド・フィンチャー監督作品だ。
理想的な夫婦の妻の失踪事件を描く映画であるが、二転三転のストーリーの展開に私は惑わされた。
自分が推理したストーリーが次々に裏切られていく予想外の展開には、驚きと言うよりは快感に近い。
人間が信じられない。何を信じれば良いのか。そして理想の結婚とは。
上映時間が149分と長尺であるが全く気にならなかった。

良く練られたシナリオは素晴らしい。夫婦の過去の闇が異なる時系列で明らかにされ、それがラストに向かって細かく重なり合って行くストーリーはお見事です。
また、この事件を追うマスコミや捜索を助ける肉親のボランティア団体等も背景として描かれ、単なる失踪事件が社会をも巻き込んで加熱拡大していく様子も皮肉を込めて描かれていた。

演技陣では主演の夫役のベン・アフレックも良かったが、妻役のロザムンド・パイクは何かを秘めた演技で目が離せなかった。そして、凄腕弁護士役のタイラ・ペリーは喜劇的要素があり、暗い内容の中で光っていた。

後味の悪い映画であるが見て損はないと思う。