こまち

天才スピヴェットのこまちのネタバレレビュー・内容・結末

天才スピヴェット(2013年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ポップでキッチュな画面が観ていて楽しい。飛び出す絵本みたい。
雄大な大自然に囲まれたアメリカ西部のおうちから東部の大都会まで横断する様子は、一緒に大陸横断の旅をしているような気分になれた。
始めはこれからの冒険に胸を弾ませて空手の練習(?)とかしてはしゃいでたのに、旅が続くにつれて考え事が多くなるT.S.スピヴェット。おもちゃ箱をひっくり返したように賑やかな画面でストーリーは展開するのに、時々何かが胸にチクリと刺さる。
目的の授賞式会場にたどり着いても、T.S.は浮かない顔。そして彼は受賞スピーチを始める。

家族が抱えている喪失感と、それを乗り越えようと支え合う家族の姿が最後に一気に描かれる。天才だけど、悲しみへの対処の仕方がわからなかったスピヴェットを両親が迎えに来たとき、何だか胸がいっぱいになった。

こういう、「陰」と「陽」が良いバランスで調和している映画がすき。
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