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天才スピヴェットのnorisukeのレビュー・感想・評価

天才スピヴェット(2013年製作の映画)
4.0
「アメリ」の監督の新作ということで、大いに期待して臨んだのだが、期待以上!であった。「アメリ」とはうってかわって、モンタナ州の牧場から物語が始まるのだが、本作でも奇想天外ワールドの魅力全開!10才の天才少年の複雑な心を描くことで、より心に響く作品になっていると思う。

モンタナにアメリカ大陸の分水界があることを初めて知った。分水界を境に、西にに流れる川は太平洋へ、東に流れる川は大西洋へと注がれるという。冒頭で、主人公のT.S.スピヴェットくんと、双子の弟のレイトンくんが、この分水界に洗礼を授ける。西側に水を振って、「ビッグ・サーへ流れよ」。東側に水を振って、「ニュー・オリンズへ」。なんとも壮大で、浪漫を感じてしまう!異なる大洋へと向かう二つの水流は、性格の全く異なる双子の兄弟を連想してしまう。

個性的な家族、永久運動機関への憧れ、天才少年T.S.の冷静な観察眼と繊細な心。楽しくて、可笑しくて、切ない。

「凡庸は心のカビよ」という母。人並みの幸せに憧れてしまう自分に喝を入れられた。

そして大陸横断の旅!アメリカ大陸を陸路で横断することは、若いときの私の夢であったことを思い出した。(ついでに、「リバー・ランズ・スルー・イット」を観て以来、モンタナに憧れていたことも。)

「きっとマツの木が見つかるよ」。

旅で出会った人たちに、T.S.が贈る言葉。実は、守ってくれるマツの木を、たまらなく切実に欲していたスズメは、T.S.なのだ。

笑って、泣けて、温かな気持ちにしてくれる快作。音楽も素敵。

2Dの試写会で鑑賞。十分楽しかったけれど、3Dでも観てみたいな。