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天才スピヴェットのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

天才スピヴェット(2013年製作の映画)
3.7
みなさま、あけましておめでとうございます。
去年はいつもより映画は少なめだったけど、今年はたくさん映画を観たいし、どんな素晴らしい作品に出会えるかも楽しみです。

さて、今年の1本目はフランス人のジュネ監督がアメリカを撮った作品。
アメリカ西部の広大な自然の中で生まれ育ったスピヴェットは、堅物で保守的なカウボーイの父親と、昆虫研究にすべてを注ぎ込む母親、ミスコン出場や女優を夢見る姉と暮らす10歳の天才少年。
双子の弟が銃の事故で死んでしまってからは、家族が大きな喪失感を抱えている。
そんな時、スピヴェットは自分の発明でスミソニアンの偉大な科学者に贈られる賞を受賞し、たった1人でアメリカを横断しスミソニアンを目指すお話です。

以下、少しネタバレ的になってるかもです。



コントラスト強めのジェリービーンズみたいなカラフルでポップな色が、毒々しさの一歩手前でファンタジックな雰囲気を醸し出している、独特な世界観にまず惹かれました。

スピヴェットは周りの誰からも理解されず孤独であり、弟は両親からも愛されてたのに自分は違って愛されていないし、弟の死にも自らの責任を感じていたり、幼い心にたくさんの哀しみを抱えているんですね。
現実離れしたカラフルな世界は、現実のどこにも居場所がないスピヴェットを表しているようにも思えました。

何でアメリカ?何でカウボーイ?なのかも引っかかりました。
カウボーイのお父さんの部屋には、ライフルや仕留めた動物の剥製などが誇らしげに飾られていて、武器によって我が物にするアメリカの象徴ではないかと。
子どもに銃を持たせて遊ばせる異常さと、その事に責任を取らず向き合おうとしない事も風刺として描かれているように思えました。

スピヴェットの周りにいる大人達が本当のスピヴェットを見ようとしないのに対して、旅の道中で出会った大人は、スピヴェットがどんな子であろうがそのまま訳も聞かず受け入れて助けてくれたのも印象的です。

子どもの「価値」にしか興味がなく、利用しようとする大人達の中で、スピヴェットがわかって欲しかったのは、自分の拠り所である科学への愛と両親から愛されたいという純粋な気持ちであり、ママと会った時に、偉大な科学者ではなくただの幼い子どもになれたスピヴェットがとても良かったです。

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