JTKの映画メモ

天才スピヴェットのJTKの映画メモのレビュー・感想・評価

天才スピヴェット(2013年製作の映画)
4.2
以前、黒澤明の「八月の狂詩曲」のキャンペーンの一環で監督とファンの集いみたいなイベントがあって、ファンの一人が「何かわからないけど最後のおばあちゃんのところで感極まって泣いてしまった」と言うと、黒澤はニコリと笑って答えた「それが映画なんだよね」と。
優れた映画って、饒舌でもなく過度に説明的でもなく、絵や音やリズムで感覚的にわからせる。
初期のジャン=ピエール・ジュネの作品は一風変わった悪趣味というかバッドテイストな作風で、そういうところが好きでもあったのだが、ここにきて万人が共感するような傑作を作り上げてしまい嬉しいような、寂しいような。
しかしながら、これは2014年に観た映画のベストかも。
いや、素晴らしかった。