おおさこ

白鯨との闘いのおおさこのレビュー・感想・評価

白鯨との闘い(2015年製作の映画)
3.5
〝vsデカ鯨と見せかけた世界の果てから落っこちた男達の物語〟

子役からスタートして今や大人気監督となったロン・ハワードの新作です。『ビューティフル・マインド』でアカデミー賞GET。『ダ・ヴィンチ・コード』では大金GET。娘は『ジュラシックワールド』をピンヒールのまま全力で突っ切るという偉業達成!と業界きってのリア充監督が選んだ次なる題材はデカ鯨でした。

大海原を駆る帆船で大金を掴むために鯨を追う船員たちの姿は〝Theロマン〟時にはぶつかり合う姿がまたまたカッコ良かったです。鯨油を取るために頭の中に入る事があるなんて知らなかったです。で、その中がめちゃくちゃ臭いらしい。中への入り口、潮を吹く穴を〝Devil's Asshole〟と言ってるようでした。どんだけ臭いねん。この穴が悪魔と言うか地獄への入口でした。
鯨を求めて向った未知の海域で、デカ鯨の手荒い歓迎を受け漂流する事になるのです。
予告篇と邦題のイメージから〝vsデカ鯨の海洋アクション〟かと思っていました。しかし、この辺の描写は意外とあっさりでした。そこからの漂流シーンこそが監督の描きたかった事のようです。食料も水も底をつき飢餓状態。それを回避する唯一の方法とは・・・。人間の尊厳を問われる極限状態です。うーーん、地獄。
鯨油、石炭を使ってどんどん発達する工業社会。もはや人間最強とばかりにピーーンと伸びた鼻を自然と鯨を前にして、ポッキリと折られてしまいました。
極限状態の中で圧倒で崇高なるモノと対峙すると言う点では『ライフ・オブ・パイ』にも通じます。『ライフ〜』がたくさんの隠喩に溢れていたように、デカ鯨もまた何かの象徴なのでしょう。

アクション映画としては少し物足りなく思いました。しかし、地獄巡りの果てに自分たちのあり方を見つめ直す男たちの映画としては見応えバッチリ!
ただ、水面ギリギリとか際どいカットの画がツルツルのデジタルなルックで他の画とマッチしてなかったのが残念でした。そのたびに白けてしまいます。映画は実話だろうがドキュメンタリーだろうが嘘なんだから、ちゃんときっちり騙し通して欲しかったです。