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白鯨との闘いのとぽとぽのレビュー・感想・評価

白鯨との闘い(2015年製作の映画)
3.0
力強く響く普遍的な原題に、野郎共の絆、尊厳、友情を描く普遍的な物語。まるでスタジオ撮影したような海(『人生はシネマティック!』のそれを思い出して!)に見ていて疲れそうになるほど気取った色味(黄色!)、それらは一種の窮屈感さえ感じるコテコテの映像世界。昔を回想する形で進むのも冒険映画のそれのように普遍的(『パディントン2』の二人が語り手と聞き手)。闘って漂流して海の偉大さを肌で感じる、畏敬の念を抱く。そして愛する人の元に帰るまで。更に権威、体制に甘んじない極限の現場主義?おぞましいほどの人間の限界。真実は闇に葬れない。そして物語は次の世代へと受け継がれて行く、例え危険があっても飛び込んでいく勇気。でもこの作品は不思議とそこまで力強く感じない。随所で格好良いし胸震えるけど夢中にはならない。マイティ・ソー役クリス・ヘムズワースと新生"親愛なる隣人"スパイディー役トム・ホランドが実は以前に共演していたということで、かろうじて記憶し直された本作だけど、ロン・ハワード監督とクリス・ヘムズワースの作品なら『ラッシュ』のほうがずっと良いし普遍的。また、彼の海を題材にした物語なら『スプラッシュ』。遭難系なら『アポロ13』。

勝手に関連作『ロストシティZ』
TOMATOMETER42%AUDIENCE53%
The admirably old-fashioned In the Heart of the Sea boasts thoughtful storytelling to match its visual panache, even if it can't claim the depth or epic sweep to which it so clearly aspires.
P.S.これは地面から油が出ると人類が知るまでの物語だから仕方ないのだけど、体についた原油だけのためにクジラが殺されていたことを考えると滅茶苦茶だなと思う。それなのに日本の捕鯨、あんなに目の敵にされても!槍玉に挙げられても困る!
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