アクションらしいアクションがほとんど無く、ダイアログだけで展開を追っていくのは観ていてツラいものがあるのだが、ミステリとしての結末に意味がある映画ではないのでまあいいか、という感じ。
ニュー・シネマっぽい雰囲気の現代風再現というか、リアルタイムでは知らないが、あの時代の空気は表現できているのではないか。ウィジャ盤に導かれるままクサを求めに行く回想シーンなんか特に。全体に『ロング・グッドバイ』を彷彿とさせるし、どこかしら村上春樹やデヴィッド・リンチ的な世界観でもあるように感じる。それでいてタイトルバックへの入り方なんか、タランティーノばりにカッコイイ。
ヒッピーの私立探偵を演るには、ホアキン・フェニックスでは少々理知的に過ぎるようには感じた。