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ジャッジ 裁かれる判事のエディのレビュー・感想・評価

ジャッジ 裁かれる判事(2014年製作の映画)
3.8
被告側弁護士の息子が殺人容疑で被告になった元判事の父を弁護するという映画。法廷ドラマの形式を取っているが、法廷ドラマとしてはいまいち。むしろ、法廷を舞台にした親子の絆を描くヒューマンドラマ的な位置づけで観たほうが好印象だと思う。

ロバート・ダウニー・Jr演じるハンクは金で動く凄腕弁護士だが、実家とは絶縁し妻とは離婚の危機になっていた。そんな彼が、母の葬儀のために久しぶりに実家に行き、田舎で判事をしている父ジョセフと再会した。ジョセフは大リーグに入れくらいの逸材だったハンクの兄が大好きでハンクとは折り合いが悪かった。ぎくしゃくしていた家族だったが、ジョセフが突如ひき逃げ容疑で逮捕されて一変した。
ジョセフは葬儀の晩、一人で車を運転した際に、かつて温情判決をした結果悪に走っている被告をひき殺した容疑がかけられたのだ。父は当初田舎のやぶ弁護士に頼んだが、あまりのひどさに見かねたハンクが父の弁護を引き受けることになった。。。

この映画は法廷ドラマだが、法廷シーンはあまり緊迫しない。むしろ、映画を通してシニカルで乾いた笑いを感じさせるシーンが多い。良くも悪くもロバート・ダウニー・Jrのカラーが前面に出ているのだ。大金持ちでキザで凄腕だがちょっとお茶目で憎めないという役回りが多いロバート・ダウニー・Jrなので、この映画もどうしてもそうなってしまっている。
「十二人の怒れる男」や「情婦」と比べると、全く緊張感がないし、ハンクの見所もないのは、事実が確定している中で、ジョセフの言動だけがメインになっているからだ。ハンクが頑張れる余地がないので、判決が覆るかもというハラハラドキドキをすることがない。判決はある意味、最初から見えてしまっているので、これがいまいち勿体無いと思ったところだ。

一方、親子の関係を見直すヒューマンドラマとしたら秀逸だ。父から嫌われていると思っていたが、なぜジョセフがひき逃げした男を温情判決をしてしまったかが法廷で明らかになるシーンはすごく感動する。

自分のことをそういう風に考えられていたと判ったら、いくらヒネクレ者のハンクでも変わると思うし、実際そうだ。

ラストは決してハッピーエンドではないけど、父と息子の心が繋がったという意味では、ハッピーだったのかなと思う。

法廷ドラマだと思っていたが、ハンクの「自分探し」の物語だった。