JIZE

コードネーム U.N.C.L.E.のJIZEのレビュー・感想・評価

コードネーム U.N.C.L.E.(2014年製作の映画)
2.8
レトロモダンな60年代東西冷戦を交え敵国の工作員が共同戦線を張り放つ中立的なガイリッチー最新作!!失踪事件を元に使命を遂行する寡黙な機略感を賞賛!!開幕の歴史を遡る民俗調なOP演出と狭い路地裏で格式高き銃撃戦や追跡劇も!!アイロニカルな主張の諄い体裁を指弾!!修正を加え続編次第で再興も!!観終わり世間一般はこの作品を勝手な高貴,機敏,お洒落,な脆い先入観で底上げし過ぎ⁉︎問題は前提に抱き特に特質した箇所もない普通の諜報員物な組織流派の対立と協調を置く気障な映画だった..お話自体も60年代の東西冷戦を背景に流派の違うCIA工作員とKGB工作員が核兵器を通じ目論む国際犯罪組織の壊滅に挑むっていう,ここが大事なんだけど荒立たない中立的な諜報員物だと思えた。同じスパイ映画でも位置関係を例えるならば近年公開の『ミッションインポッシブル:ローグネーション(2015年)』が直球,『キングスマン(2015年)』が異端,『007』シリーズが正統派,と区分し幅を実感する上では被りなくバディ映画とし稀少な産物かと。では話の詳細を話す前に先に結論を申せば,彼等諜報員の高貴で華麗な外観や流暢で高飛車な会話節の主張を永遠と前衛に押し出した結果,諜報員物でよく垣間見る肝心の窮地に追い込まれ描写が少な過ぎたよ..核兵器の拡散を阻止し犯罪組織の制圧に思考や方法論など同業者でも相容れぬ主役2人が上司の命令により今回の使命をやり遂げようと画作してる計画自体は派手で肝心の中身が尽く伴わず地味という監視後にモヤモヤ度が晴れなかった原因は恐らくココ!だと思えた。薄味で健全なスパイ映画の無難な風潮を観客は求めてるんでしょうか..同監督が手掛けた前2作の『シャーロックホームズ』で新種な基盤を固め的確な照準で完成度を披露し軽妙な娯楽度を確立しただけに本作の旧来を越さない完成度には残念でならない。

概要。監督は『シャーロック・ホームズ(2009,2011年)』シリーズ2作品を手掛けた監督ガイ・リッチーが担当。特殊工作員「コードネームU.N.C.L.E」の結成譚。また,60年代に放映された米国の人気TVドラマ『0011ナポレオン・ソロ(1966年~1970年)』のリメイク作品。主演はソロ役に『マン・オブ・スティール(2013年)』のヘンリー・カビル。イリヤ役に『ローン・レンジャー(2013年)』のアーミー・ハマーを起用。他,共演には『ロイヤル・アフェア』のアリシア・ビカンダーや『ラブアクチュアリー』のヒュー・グラントが集う。また本作は『007(カジノロワイヤルやムーンレイカー等)』シリーズ原作を手掛けるイアン・フレミングも関わり注目を集めました。

上述したよう観終わり諜報員物なスパイ映画な流派でもこの種の作品を心底楽しむ事は出来ず例えば中盤で衛生工場に潜入する場面も事態の闇を衒う緊迫感が抜け落ちスイス製の二重組み合わせ錠と三重応答回転を厳重に防犯扉が完備され秒単位で危機を要する事態の切迫度と背景で流れりウェスタン調なご陽気音楽が場の空気を濁したり,敵兵士との銃撃戦の最中でウラン濃縮用の遠心分離機の周辺で隠れていた事からガラスを突き破り水中に飛び込む場面もほぼアップ気味に趣を置かれず軽妙な形で展開が進行してく結局魅せ場の集約がどこに付随するのか判断不能な違和感は後にかかるペピーノガリアルディ「ガラスの部屋」同様に謎。全て人物の体裁ありきで閉じ籠る殻から抜け出さない為,当然観客に与えるカタルシスも不発し余韻にも残らず。

そもそも諜報員2人が手を組む馴れ初め序盤の立脚点に立ち返ればカーチェイスで銃殺寸前まで追い込みトイレで乱闘をさせ因縁要素を注ぐ必要性があったのか..起伏を演出する為だろうが逆に当初は仲が良く任務中のある事柄を契機に亀裂が生じ人間ドラマを分厚く仕立てた方がキャラ描き込みに関してもソロやイリヤというこの映画で双璧を成すマクガフィンを紆余曲折に掻き混ぜる事が出来たんじゃないかと思う。あと寸前まで啀み合っていた奴等にナチの残党が混ざる国際犯罪組織を相手に任務を依頼する上司側の軽薄な決断も裏付けがない分,疑念で不穏な状態で事態が進む計画自体の単純な首を捻らざる得ない感じは当然に残る。別組織であるCIAとKGBの対立から協調を描く点では奇怪なアンサンブルで楽しめたのかもしれないが。終盤の罠にハマりソロが電気椅子に縛り上げられる場面も権力者側(モリアーティ)が探偵側(ホームズ)を尋問する『シャドウゲーム(2011年)』のオマージュかと思えた。

結局は続編製作が叶うなら方向性次第で本作第1弾の基盤が活き善良点が拡散する事を切に願いたい。あとゴーストプロトコルが発令されてないんだからソロやイリヤが所属する背景の組織構造を明確に説明して頂きたい。最後に,実際の事実ではCIAとKGBが協力したという事実はないみたいなので大枠の設定はフィクションだと目を瞑り細部の美術や作法に目を配り堪能する映画なのかもしれない。格調高い英国感や60年代の色褪せる哀感を肌で感じたい方はスパイ要素を隅に置き鑑賞をお勧めです!!