いやー、ガイ・リッチー新作映画と聞いて期待してましたが、期待通りの彼らしさ満載のスパイムービーでしたね。
そしてガイ・リッチーらしいスタイリッシュな映像、音楽、ファッション、台詞回し、そして俳優のチョイス、非常に好みでした。
今年はスパイ映画大作が多くてMIにキングスマン、今作と来て最後に007が控えてますが今のところそれぞれ違った魅力を発揮してると思うんですよね。
簡単に言うとMIはとにかく派手など迫力のアクションが目玉、キングスマンは英国的な雰囲気とユーモア、グロを交えた新しいスパイ映画、
そして今作はというと一番王道なスパイ映画といっても過言ではないでしょう。
舞台は冷戦下、本当にスパイが活躍していたであろう時代、そして東西分裂しているベルリンでアメリカとソ連のスパイが鉢合わせる展開はその時代の背景を思わせてくれ、また出てくるファッションやガジェットも時代に沿ったものだ。
だがそこで古臭くならないでいた事こそ評価に値すると思います。
それは監督の手腕によるところが多いでしょう。先にも述べたスタイリッシュな映像、例えば別行動時のカット割りなど、は一昔前の風景を写しているのに現代の軍隊が突入作戦を実行しているように見せてくれますし、音楽も時代的に沿ったものでありつつも、むしろだからこそ今聞くと新鮮に聴こえる。
そして台詞回しは、いちいちニヒルだったりカッコつけすぎだったりするんですが、それと同時にスクーターにスパイが二人乗りしたり、必殺技?が突拍子もなかったり、ヒロインが踊りだしたと思ったらお酒に弱かったり、少しずつ外したり抜けているので上手くバランスが取れていたように思います。
この映画はオーソドックスなスパイムービーでありつつも、それを現代的にリブートするのではなく、その時代を映しながらも新しくカッコよく見えるような工夫がなされているというふうに今年の他のスパイムービーとはまた違ったベクトルでよくできた傑作だったと思います。
続編作ってくれないかなー、下地はあるんだしなー
って願望を最後に添えて…