「シャーロック・ホームズ」のコンビ再びと言うのが相応しいほどガイ・リッチー監督が主役に抜擢した二人は「シャーロック~」を彷彿とさせる。
若々しさと紳士的な面、両方をのぞかせるアーミー・ハマー、一方「007」の4代目ボンド役ティモシー・ダルトンを思い出させるダンディズムを披露したヘンリー・カビル。性格も似ているところが多いが自身の所属や立場から争いが絶えない凸凹コンビという部分でも本作の魅力を感じられるだろう。
1960年代の人気TVシリーズ『0011ナポレオン・ソロ』をリッチー風にリメイクしたスパイアクション映画は各シーンでの音楽との融合が非常に素晴らしく作品全体を盛り上げている。特に二人が潜入するアクションシーンは終始いい意味で音楽に支配される。現在のテクノロジーで映像としてアクションシーンを見せるとなれば幅広い選択肢で観客を魅了できると思うが、音楽が先行してアクションに磨きがかかるという映画は中々見ることはできない。
同時にリッチーのユニークさも顕著に現れる。注目はラストのアクションシークエンス。あのようなカット割りでアクションシーンをまとめられるのはリッチー独特のユーモアと言うべきか。