けーはち

リトルプリンス 星の王子さまと私のけーはちのレビュー・感想・評価

4.6
少女が「星の王子さま」の物語を知り、その先を夢想する。ドリームワークス出身のマーク・オズボーン監督による3DCG+ストップモーションアニメ映画。

★劇中現実は3DCG、物語世界はクレイと紙を使ったストップモーションで、両者の合成による表現がおもしろい。CG世界の少女が夢想すると紙の世界へ没入し、ストップモーションへ移行。雲に似た紙のトンネルの中に入っていき、それは砂丘へと変わっていく。夢の中で夢見るような素敵な技術の結晶。3D上映で見るとなお佳良。

★本作では、バリバリの管理教育を受けている少女と、自由闊達な変人飛行士爺さんをつなぐ、ふたりだけの接点として「星の王子さま」の物語があるのだが、かぶさるパラシュートの中にふたりで入るシーン、密会の匂いが強すぎて、いかがわしいというか、飛行士が小児性愛者に見えるくらいの親密さ。

★大切なことを忘れてしまった大人の感性による邪推はさておいて、ストップモーションで「星の王子さま」のダイジェストが語られる場面は良かったし、原作の後日談として、夢か現か判然としないファンタジー世界で皮肉めいた挿話があるのもおもしろい。

★フレンチ・ポップスのカミーユの歌や、耳あたりのいいハンス・ジマーの音楽も世界観を引き立たせていて素晴らしい。EDの松任谷由実も良い。

★吹き替えで見たんだけど、飛行士の声優の津川雅彦は本当に好々爺然としていて良かった(本人が実写ドラマで演じる爺さんは大体クセモノなのだが)し、少女の子役・鈴木梨央も本当に好演。そして成長後の王子の声優は……(笑)