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リトルプリンス 星の王子さまと私のnagaoKAshunPEiのレビュー・感想・評価

5.0
傑作だった!2015年も残すところ1カ月あまりで、そろそろ2015ベストも決めたいなぁ、と思っていたところに、すごい掘り出し物に出会ってしまった。たぶん今年、ベスト10ぐらい好きかも。

あらすじは、母親から分単位のスケジュールを組まれ、将来を約束された名門私立校に入るためだけに日々を過ごす女の子が、引越し先の隣に住む一風変わったおじいさんと出会うことで、少しずつ自分を解放させていく……。

もう本当素晴らしかった。
物語が、現実部分(3DCG)とおじいさんが語る星の王子さま部分(ストップモーションアニメ)の二つの部分で構成されていて、虚構であるはずの3DCGのなかに、さらに虚構であるストップモーションアニメを混ぜることで、3DCGを虚構から事実へと昇華させることに成功している。
そして、おじいさんが倒れ、彼を唯一救える星の王子さまを見つけに行くべく、家を飛び出すところで、虚構と事実の壁が取り払われ、観念的ではあるけど、「目に見えない大切なもの」を手に入れていく過程は、もう号泣。
それもすべて、ディズニー、ピクサー、ドリームワークスなどハリウッドの名だたるアニメーション会社で活躍しているトップアニメーターたちの手腕によって発揮されている。おそらく最高峰のデジタル(3DCG)アニメとアナログ(ストップモーション)アニメの融合だった。

物語が伝えるメッセージ性もど真ん中で、「マジョリティのなかに存在することも悪くはないけど、凝り固まった考えばかりしているとつまらない大人になってしまうよ」といった感じで、『LEGO®ムービー』にも通じるものがあったし、何より「別れ」に対する考え方がとても肯定的で素晴らしかった。

原作は世界1億7500万部らしいので、読んだ人におよそ1億7500万通りの星の王子さまへの解釈や思い入れがあるだろうけど、僕は本当大好きな改編だったので、映画何観ようか迷ってる人にはぜひ観てもらいたい!!
声優もジェフ・ブリッジス、ポール・ジアマッティ、レイチェル・マクアダムス、ジェームズ・フランコ、ベニチオ・デル・トロ、さらにポール・ラッドまで吹き替えしてるので、007やスターウォーズでスクリーンが埋まる前にぜひ!
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