しゃにむ

リトルプリンス 星の王子さまと私のしゃにむのレビュー・感想・評価

4.6
「問題は大人になることではなくて、大切なことを忘れてしまうことなんだ」

ガキなんて必要ねェッ!!(CV 若本規夫)
(涙が)ぶrrrrるrrわァァッーー(つД`)

と言うとぼくが子供嫌いに聞こえますね。誤解を解いておこう。確かに観に行った劇場にはリトル・ウォーボーイズや幼女先輩がわんさかいて、奇妙な場面での爆笑、際限無いトイレタイムで集中力が胡散霧散し紳士の顔も3度目状態ではありましたがそういう意味ではありません(こめかみプルプル)

今作は子ども向けの作品ではないと思います。スクリーンを星が煌めく星空に変える素敵な場面、心に混じりっ気なしの夢をぎゅっと詰め込んでくれる星の王子さま…子どもでも胸を打たれる要素はあるにはあります。ああ〜王子さまがカワユイのだ〜(*´∀`*)

だけど今作のメッセージが子どもたちに届くのかは疑問がありました。今作のメッセージ自体は「大切なことを忘れないこと」と子どもでも読み取れる簡単なものですが子どもたちに「大切なこと」や「忘れないこと」って何だか分からないと思います。子ども心を子どもに訴えても分かんないですよ。このメッセージの真の受け取り人は大人です。かつて子どもだった大人。大切なものを忘れてしまった大人。王子さまに出会った大人。王子さまに初めて会った大人。今作のメッセージは全ての大人に届くんじゃないかな(´ι_` )

原作は読んだことがあります。ほんわかしたイラスト、間のびしてたまにチクッとくる台詞…忘れたくない優しい名作です。子ども心を忘れた大人に向けた優しい贈り物です。サン=テグジュペリは他にも「人間の土地」や「夜間飛行」など飛行機にまつわる素敵な作品を残しているので一読あれ(文学青年PR)

あらすじ↓
大人になり過ぎた世界でぎゅうぎゅうで窮屈な毎日を過ごす女の子が進学を機に引っ越した先の隣人が教えてくれた「星の王子さま」の話から大切なことを教わる。

・大人になり過ぎた世界
→主人公は小学生くらいの女の子です。冒頭からいきなり進学校の面接。10年くらい先に味わう苦労を先取りしてます。さながら就職の面接のように自己アピールを披露します。面接官は子ども相手でも容赦なく威圧する雰囲気…ぼくも失神しそうになりました。

・幸せな人生設計
→女の子のお母さんは会社の社長のキャリアウーマンで教育熱心です。新居にどデカイ表を作ります。これは何か…分刻み、時間刻み、日刻み、月刻み、年刻みの緻密なスケジュールです。誕生日プレゼントまでスケジュールに組み込まれています。お母さんは女の子にひとりで人生を生き抜くためたくましく育って欲しいと願うようですが…いくら何でもやり過ぎです。嫌だ…息が詰まる(*_*)

・子どもである大人
→隣に住むおじいさんは変わり者です。四角く区間された「正確さ」「利便性」に特化した冷たい街にレトロで素っ頓狂な家に住んでるため近所のうわさ話のネタにされます。庭で飛行機を整備したら変人ですよ。きっちきちな日々を過ごしていた女の子が奇天烈なおじいさんに出会って話は始まります。ドク然りおじいさんは変人ばかり。だけどこの人は今作で唯一子ども心のある大人です。

・星の王子さま
→おじいさんの作った「星の王子さま」を女の子は無心に読み没頭します。読んだことなくても大丈夫ですよ。紙のような人形劇で王子さまのストーリーが進みます。はぁ〜めっちゃ素敵ですわ〜(*´ω`*)

・君は奇跡のように素敵に育つよ
→星の王子さまは自分と同じ大きさの星に住んでいました。憎きバオバブ駆除に悩まされていた王子さまはバラに出会います。お互いに若すぎて王子さまは星空に旅立ちます。愛から逃げる?うーむ…よく分からない。

・大人ってとってもとっても奇妙だ
→原作通り、うぬぼれ屋の星、王様の星、金持ちの星が出てきて王子さまがザクッとくるコメントを残します。ごもっともです。

・君の星の大人はバラを何千本育てても大切な一本を見つけられないんだね
→はうァ…胸が痛む…(つД`)

・大人による大人の星
→数ある星の中に大人の星があります。割と小さくてビル、車、顔色の悪い社畜ゾンビが忙しなくひしめき合う嫌ァーな星。良く良く考えてみると今の世の中にそっくりです。ファンタジックの中にもブラック。にしてもブラック企業が多過ぎ…ビジネスマンがみんなバタリアンみたいです(*´∀`*)

・ミスタープリンス
→まさかのまさかの王子さまの大人編。ビルの屋上で清掃をする頼りない金髪の見覚えのある姿の青年…王子さまです。ビジネスマンにビクビク震え、仕事はロクにこなせなくてかれこれ300回クビになってます。ベジータ並みのヘタレ王子ィ…大人の星にすっかり感化された悲しい王子さまの末路です。目の下のクマが妙に胸に来ました。子どもに大人になることを強要する病んだ社会風景ををうかがわせるような展開です。イカンよ(゚∀゚)

・夢のあるニート宣言
→この星の大人たちは他の星を集めて我がものにしていました。子どもから夢を奪うような残酷な行為かもしれません。夜空から星を消すなんて罪深いです。王子が上司に対して辞職を言い放つ姿が妙にカッコいい。まだニート宣言なんですけど。空に星を取り戻す、夢を取り戻す感慨深いシーンです。まさに星の王子さまってくらい重大な、忘れものを取り戻してくれる、まさに、な、シーン。さすがは王子さまです。その後の変わりっぷりは微妙ですがこの際不問にしましょう笑

・いつもそばにいるよ
→無数に輝く星の中に王子さまが笑っている星があるんでしょうね。大切なものは目に見えない…分かるけどこの歳でそれを信じるのはさずかに気後れするんだよなァ…ってためらう自分が嫌になりました。この点、子どもの方が優秀な受け取り人でしょう。だけど受け取り人は大人である自分。たまにはね、素直に受け取ってもいいと思います。忘れるばかりの人生って悲しいですね(´ι_` )

2回目に会っても王子さまは忘れものを思い出させてくれました。忘れることをやめられたらどんなにいいでしょう。今晩の夕飯のメニューも忘れてしますもん(痴呆症) 素敵な作品なので是非ご覧ください〜( ´艸`)