ストップモーションアニメで描かれた原作・星の王子さまのシーンは、文句なしの5点満点!
いっそのこと、この表現で原作・星の王子さまをそのまま映像化してくれていれば、どんなに素晴らしかっただろうかと、残念な気持ちでいっぱいです。
というのも、それ以外の今回の映画化にあたって付け加えられた部分が、どうにもしっくりこない。
直接的ではなく、現代の子供を目を通して間接的に伝え直すことによって、より原作・星の王子さまのメッセージを際立たせることを意図したのでしょうが…とてもベストな手法と思えませんでした。
まず、設定として誰も星の王子さまの事を知らないってのは無理があるし、ファンタジーだとしても、そこは現実的でないといけない映画だと思います。
何よりもひどいと感じたのは、原作のその後の星の王子さまの扱いです。
原作の終わりは、読者に解釈を委ねられている素晴らしいラストですが、この映画はそれを台無しにしていました。
その後の王子さまを、あの姿や場所に登場させてしまうことによって、日々、星空を見上げて王子さまのことを想い、天気の良い日には、王子さまの笑い声が聞こえる、と信じている年老いた飛行士の言葉が全部嘘になってしまっていることに気付いているのでしょうか?
それこそ、大切なことは目に見えない、というメッセージ自体が嘘だと言ってることになってしまっているのではないでしょうか。
まぁ、CG化した王子さまのキャラクターデザインもひどいですが、本来作品が持っているメッセージを台無しにしていることに比べれば、全然許せます。
そんな感じで、やりたい事はすごく解るけど、結果として上手く出来ていない、そんな作品でした。
ただ、ストップモーションアニメの原作・星の王子さまシーンは本当に素晴らしいので、それだけでも充分観る価値ありです!