ぐみちょこ

リトルプリンス 星の王子さまと私のぐみちょこのレビュー・感想・評価

4.0
どういう大人になりたいか?が一つのテーマであり、未来を生きる子供たちに向けたメッセージかと思いきや、実に大人向けなアニメーション映画だなと思いました。むしろ子供が観て理解できるのかな...?それだけ奥が深く現代に伝えたいメッセージがひしひしと伝わってきます。

冒頭のシーンからこれは普通のアニメ作品と一味違うぞ、という雰囲気を醸し出しています。幼いながらも受けているのはまるで就活のような面接シーン。ピシッと区画分けされた街には人が歩いておらず、感情のない街並みには怖さすら感じました。そこにポツンと佇む小さな洋館、これが出た時自然とほっとしたのですがこの作中では歪なものとして登場します。この世界では異常なことがすでに普通になってしまっている。しかしこれってなんとなく未来を象徴しているようで、、。うーん怖い。

母親に作られた未来設計図はまるでロボットのように何時何分、何をするべきかスケジュールが決められ、それをこなす主人公。
しかし規則正しく、完璧な環境でいれば、良い大人になれるのだろうか。大人になる上で大切なことはもっと他にあるんじゃないか、という子供目線でも大人目線でも考えさせられるテーマを社会問題も交えて真っ向から描いています。星の王子様が主軸に加わることにより重くなりすぎず優しい作品に仕上がっていてアニメーション面でもストーリー面でも丁寧で愛情深い作品。

ちょっと異常な世界観の中で隣のおじいさんや星の王子様に出会い、主人公の女の子が自ら自分の未来を切り開いていく姿は可愛いのに勇敢でとても好きな主人公像です。

少し勿体ないのが、子供にも分かるように、ということかもしれないけどやや抽象的すぎる台詞もあったりしたような。理屈っぽいというか...。変に言葉にしなくても内容で十分表現されているからこそ「大切なことは目に見えないんだ」というような台詞をあまり繰り返してほしくなかったなぁ。陳腐に聞こえてしまう...。

3DCGだけでなく木彫りのようなストップモーションアニメが度々登場しますがこれがなんとも可愛らしい!実際は紙で作られているらしいのでこれまたびっくり。これだけでも観る価値あります。

行った劇場が吹き替えしかなかったのですが吹き替えも安心して観れました。