こうよう

リトルプリンス 星の王子さまと私のこうようのレビュー・感想・評価

4.2
この作品はファンタジーの存在意義を問いかける社会派ファンタジーアニメだと思います。

ストップモーション撮影を用いた絵本の中の世界観を映像で体現させてくれるファンタジー的な要素と子供から見た大人をダークな演出で恐ろしく表現している現代社会への風刺的な要素がバランス良く構成されているように思います。
ダークな演出という点においては、特に冒頭の面接シーンの演出と徹底的に管理されたスケジュールを象徴するボードの使い方がとても印象的でした。

この作品で描かれている世界は過剰に描かれているように少し感じますが、この過剰な世界こそが私たちが今当たり前に生きている普通の世界だということを表現したのではないかと私は解釈しています。

現実の世界はファンタジーのようには生きていけませんが、生産性や目に見える価値や社会的評価以上に人として忘れてはいけないものがきっとあるはずです。それを教えてくれるのがこの作品だと思います。
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