紫色部

リトルプリンス 星の王子さまと私の紫色部のレビュー・感想・評価

3.5
2015.12.22 TOHOシネマズ海老名(吹替)

原作の「星の王子さま」の台詞や世界観を忠実に再現した映画中盤の雰囲気が個人的にはどストライクで、原作に合わせた絵のタッチと相まり何度も涙が溢れてしょうがなかった。縦軸に囚われた管理社会における純粋な創造性の忘却への警鐘/創造性の継承をテーマに置くことで原作の持つメッセージ性とダブらせながら、原作のその後を描く本作の試みには唸るものがあったし、娘の将来を案じる余り娘の生活をマグネットで一次元化し管理しようとする母親の様は、大幅に誇張されてはいるものの、現代社会にありふれた親子像への痛烈な皮肉が感じられ、観ていて大変興味深いものがあった。が、子供向けアニメ映画として一般化を図ったが故ではあるのは分かる気もするけれど、ラストにおけるある展開は、原作に漂う死の匂いを十分に描き切れていないように自分としては思えたし、原作のテーマとはどこか相容れない違和感が終盤以降特に拭い切れなかったのはなんとも残念であった。