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リトルプリンス 星の王子さまと私のsatchanのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「星の王子さま」の原作そのものをアニメーション化した映画と思って見始めたので、冒頭に出てきたCG少女とママは一体何なんだ?と思ってしまいました。この2人が受験戦争で勝利する為の戦略が面白く、子供を持つ親として興味津々でした。面接に失敗してもプランBがあったり、勉強を計画通りできたかどうか、マグネットで管理したり、超過密スケジュール。少しは見習って、我が家にも応用したいと思いました。

そうこうするうちに、隣に住む変なジジイが出て来て、「星の王子さま」の物語を教え始めます。このジイさん、人ん家に穴あけといて、弁償するお金もなくて、部屋は汚いし、臭そうだし、最初はゲゲェって感じなんだけど、段々と味のある良い人ぶりを発揮してきます。ラストで入院する時は、あれ程最悪だと思ってたはずが、情がうつって、悲しい気持ちになりました。

狂信的な教育ママぶりが面白かったんですが、ママの声がレイチェル・マクアダムスと知って、さらに一層驚きました。穴の空いた壁をみて、相当なバトルがあるかと思いましたが、お金ないなら仕方ない、さっさと忘れて、勉強しましょっ!みたいなクールで素っ気ないところ、笑えました。

「星の王子さま」の物語を、おじいさんが毎日一枚ずつ破いて、プレゼントしてくれます。王子さま、きつね、バラ、ヘビたちの会話も、惑星にいる個性豊かな王様たちは、原作と同じ内容で綴られます。バラの声はマリオン・コティヤールで、ヘビはベニチオ・デル・トロとは、つゆ知らず、面白いわけです。懐かしく思うところもあれば、こんなに示唆に富んだセリフだったのかと、改めて再認識するような部分もありました。短いながら、読む度に何らかの影響を受ける小説です。冒険心もさりげなくくすぐられ、ワクワクしました。フランス語版の原作は無理ですが、日本語訳と英語訳を持っているので、読み返して、子供たちと見たいな、と思いました。
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