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夜に生きるのKUBOのレビュー・感想・評価

夜に生きる(2015年製作の映画)
3.8
大富豪の息子はバットマンになったが、警視正の息子はならず者になる。

ベン・アフレックがベン・アフレックのために作った美しすぎるギャング映画。

基本的にあまり殺しのシーンは出てこない。どちらかと言ったら女と愛しあってるシーンの方が多いくらい。

押し出しが強くてイケメンのベン・アフレックはそのままギャングスター。

アイルランド 人(『アイリッシュマン』)とイタリアン人(『ゴッドファーザー』)マフィアの縄張り争い。両方見てると、それぞれのアメリカでの立ち位置や仲間内の結束もわかるし楽しい反面、

ギャング映画の名作は長すぎるという人もいるけど、それに慣れてしまうと、本作があっさりして見えて少し物足りない。もっと成り上がるまでにあったであろう血生臭い話も入れてほしかったな〜。

コッポラもスコセッシも、家族人でありながら切れた時の恐ろしさも等分に描いているのだが、ベン・アフレックは見やすさ、美しさ重視。カッコいいけど、カッコよすぎちゃって、リアリティをどーのこーのと言ったら話にならない。「ベン・アフレック、カッコいい!」って、見るのが吉。

「女の刺客」なんてのも「アレ」を思い出すし、

女の子のファッションは『チャイナタウン』のフェイダナウェイみたいだし、

映画ファンがクスッとしたり、ニヤッとできるところもある。

カジノ建設が映画の大きな山場になるんだけど、カジノを計画するのはギャングだ。これを天使のようなエル・ファニングが「博打は神に背く大罪だ」と説いてまわる。

このコロナで自粛中に法案を押し進める日本の政治家にも言ってやってほしい。

終わり方まで、何もかも美しくオシャレなギャングストーリー。冴えないバットマンよりずっとカッコいい! ベン・アフレックのファンは必見です。
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