アンタレス

フランシス・ハのアンタレスのレビュー・感想・評価

フランシス・ハ(2012年製作の映画)
3.6
フランシスは、ニューヨークでプロダンサーを目指している。この広く厳しい街で、フランシスは一人の生活を余儀なくされる。ルームシェアをしていた親友のソフィが、婚約をきっかけに出て行ったためだ。一人残されたフランシスは、ニューヨークをフラフラと渡り歩き、故郷のサクラメントへ帰り、パリへ弾丸旅行に発ちと、根なし草のような生活を送りつつも再びニューヨークへ帰ってきた。


フランシスはどこにでもいるような、明確な人生設計を持たず、目標はあるものの漠然とした夢でしかなく、その日暮らしの状態のアラサー女子である。
映画の主役のような、ヒーロー性やドラマ性があるわけでなく、ごく身近な存在と言える。むしろ、友人グループの中でも目立つわけでもない脇役と言っても良いだろう。
そんな普通の人物を主役とし、自然主義の枠の中で等身大の生活と僅かな成長を描いた作品であるが故に、フランシスに自分自身の感情を投影しやすい。
初めて観賞したマンブルコア作品であるが、現代の人に受け入れられやすいジャンルだと感じた。
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