ちゃんみな

フランシス・ハのちゃんみなのネタバレレビュー・内容・結末

フランシス・ハ(2012年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

がんばれ!フランシス!モノクロ映画

27歳ダンサー志望のフランシス。親友のソフィーと暮らしている。仲良しすぎてそれに呆れた彼氏とも別れる。そしたらソフィーは別の友達と憧れの土地に住むとか言い出して悲しいフランシス。ソフィーとの別居をきっかけに男友達2人と住むことになるが、片方は遊び人でもう一人からは「非モテ」とバカにされ続ける。ソフィーともだんだん疎遠になっていき、ソフィーの彼氏にも嫉妬に近い感情を抱く。ある日バーでソフィーと大ゲンカしてしまい、そこからは連絡も取らなくなってしまう。仕事もうまくいかず、踏んだり蹴ったり。カンパニーに入れるどころか練習生から事務職を進められる始末。ソフィーが婚約者と日本に引っ越すことも人づてから聞いてショック。お金もないのに2日間だけフランスに行ったりする。母校の寮の管理人をやったり、放浪するフランシス。旦那と喧嘩したソフィーを泊めてあげるが、次の日ソフィーは何も言わず出て行ってしまう。そしてフランシスは劇団の事務職になり、ダンサーではなく振付師として活動することを決める。恩師からもソフィーからも絶賛されて嬉しいフランシス。ラスト、自力で借りたアパートのポストに名前を書いた紙を入れるところで終わり。「Frances Halladay」という名前のHaまでしか入らなくって「Frances Ha」う~~~ん、最後までフランシス全開!!って感じで良い!!!


大雑把でずぼらで不器用でどんくさくって運の悪いフランシス。なんか自分と重なるところもあって切ない気持ちになった~~~。大柄なところも私にそっくり。「フランシス・ハ」なんていう不思議なタイトルが最後に解明され、フランシスのキャラクターを完璧に説明しきったところでおわるのもよかった。


全部がうまくかみ合わなくってもどかしい気持ちになるときってある。あーーーーわかるよ、わかるよ、フランシス。それでもどんより重たすぎる雰囲気にならないのはフランシスの不思議な魅力の一つだと思う。泣いたりひどく落ち込んだりせず、ふてくされはするけどのすのすと歩いていくのだ。自分と重なるフランシスが歩き続けてくれるのはパワーを貰えた。


なぜか走るシーンが多くて、そこがなんだかとても素敵だった。街を駆け抜けるフランシス、応援したくなる。


リアルなニューヨークが舞台なところもなんだかよかったよね。


2012年 アメリカ ノア・バームバック監督