垂直落下式サミング

アントマンの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

アントマン(2015年製作の映画)
4.5
宇宙最強の戦士ファルコンが無職の泥棒とのタイマンの末に敗北してしまうマーベル作品。
アントマンは、コミックでアベンジャーズの創立メンバーのひとりとして重要な役割を担っているとのことだが、この映画版はコミックとは設定が大きく変わっており、初代よりさらに地味な二代目が主役。
「小さくなる」能力者なんて、ジョジョだったら肉の芽を植え付けられているし、ワンピースだったらグランドラインに入る前に死ぬ。こんなに地味なヒーローでも単体の映画を成立させてしまうあたり、マーベルスタジオの勢いを感じさせる。
アントマンが目的遂行のため、アベンジャーズが大切に保管していたある装置を拝借しに行く際に、施設周辺を警備していたファルコンに見つかり、アントマン対ファルコンというヒーロー対決となる。これは昨日今日ヒーローになったやつに勝ち目など無いだろうとファルコンの勝利を確信していたら、なんとアントマンは卑劣にも小さくなって彼の機械の翼を内部から破壊し、彼を戦闘不能にしてしまうのである。
倒されるでもない、斬られるでもない、動けるまま戦う手段を奪われるという、戦士にとって決してあってはならない醜態だ。ヒーローたちの原点にして頂点でありアベンジャーズを牽引するものと言えど、弱点を突かれればこれほどまでにもろいのかと、観客を落胆させることのないように彼が言った捨て台詞「キャプテンには内緒にしてくれ」は、彼のおちゃめな一面をしめしたシリーズの名言として、ファルコンの熱狂的ファン集団“ファルコニスタ”のあいだで伝説となっている。