COZY922

アントマンのCOZY922のレビュー・感想・評価

アントマン(2015年製作の映画)
4.2
『山椒は小粒でもぴりりと辛い』『柔よく剛を制す』アントマンを観てこれらの言葉が浮かんだ。1.5cmの小さな奴がスーパーヒーローになれるなんて、まさに発想の転換!

確かに体が小さければ金網の網目やドアの隙間から侵入したり、相手の懐やマシンの内側に忍び込んで何か細工することもできる。更に伸縮自在となれば、肩や顎下当たりに飛び込んでおいていきなり元のサイズに戻りアッパーパンチを喰らわせることも可能だ。

大→小→大→小・・・姿をくらませ、先制攻撃、また縮んでミクロサイズで逃げる逃げる。拡大と縮小で魅せるあのアクションシーンはアントマンならでは!そしてそれが小気味良いリズムと疾走感となり、他のヒーローでは決して見ることのできない世界観の形成に成功している。序盤の、レコード盤でのたうち回りクラブで踊る人の靴やネズミにビビるシーンや、終盤の、機関車トーマスを舞台に戦うサマはヒーローものというよりはアドベンチャーコメディ的おもしろさだった。

アントマンの活躍において、忘れてはならないアリのもう1つの特徴が社会性。そもそもアリは上下関係や役割分担がハッキリしていて社会性のある昆虫と言われる。餌の存在を仲間に知らせたり外敵から攻撃を受けると仲間を呼び集め迎撃体勢を整えたり、1匹では無理でも集団で事にあたり何かを成し遂げるアリの習性がいかんなく発揮され作品に反映されていた。

主人公スコットの3人の仲間やハンク・ピム博士など脇を固めるキャストもいい。スコットの娘の女の子、可愛い!アントマンの成り立ちやアクションに見入ったのでそこを中心としたレビューになったけれど父と娘の物語としても良かった。MCU関連作品は実は全く未鑑賞でしたが、それでも充分楽しめました。

アリの小さいサイズと社会的習性あってこそ成り立つヒーロー。目の付け所に”アッパレ” !
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