過去の確執により離れ離れになっていた父と子の兄弟二人が、総合格闘技の大会をきっかけに関係を変化させていく…というお話。
過去の話にしろなんにしろ、登場人物のセリフや行動の中に断片的に匂わせる程度で、決して多くを語りすぎない演出がカッコいい。
一撃で敵を倒し振り向きもせず立ち去る弟と、やられてもやられても何度でも立ち上がり必死で食らいつく兄。このファイトスタイルだけで、両者の生き様を表してしまうスマートさよ。
中でも、ラストバトルでのある一言・ある行動でその人の心変わりを一瞬で表してしまうウマサには驚き通り越して大感動。後ろで流れてるThe Nationalの『about today』のエモいギターサウンドも含めて、本当に素晴らしいシーンだった。
兄の強さの根拠がいまいちフンワリしてたり、若干気になるところもなくは無かったけど、間違いなくアツくなれる傑作だった。
(2015.257)