佐藤でした

ウォーリアーの佐藤でしたのレビュー・感想・評価

ウォーリアー(2011年製作の映画)
4.8
元海兵のトミーは、14年ぶりに父親が一人で住む実家に帰った。父パディは酒乱で家族を崩壊させた過去をもつ。その少年時代の父を今でも憎むトミーだが、総合格闘技の道に進むため、元ボクサーである父をトレーナーとして必要としていた。
一方、兄のブレンダンは、母親と弟のトミーが家を逃げ出した後も父と暮らしていた。とは言えさすがに愛想が尽き、彼も家出。ほどなくして結婚した。今では高校教師をしながら妻と娘たちに囲まれて幸せに暮らしている。しかし一番下の娘が難病を患い、多額の医療費が必要となり、闇のリングで賞金稼ぎをしていた…。

トム・ハーディ主演の上質なスポーツドラマ!涙が溢れて止まりません!

しかしまあトム・ハーディって、どこからどう見てもカッコイイ。どれだけ好きな俳優さんでも、この役は…とか、この角度は…とか、この髪型は…とか大抵あるのにこの方は無い(きっぱり)。いつ見てもカッコイイ。なんでしょうこの際限ない魅力。

そんなトムハさんが演じるのは、父親への怨恨を抱きつづける元海兵の青年。冒頭、実家に突然帰宅して父親を驚かすが、父の喜びもつかの間、話せばすぐに「恨み」で一杯であることがわかる。涙目になって怒気を孕む表情に、さっそく吸い込まれた。

兄は反対に、穏やかで物静か。教師という職業がぴったりで、格闘技などとは縁遠い雰囲気。しかし2人は確かに兄弟だった。
酒乱の父にひどく苦労をかけられたが、レスリングを教え、強靭な肉体に育ててくれたのも、紛れもない父だった。

これまで、心も、居場所も、性格もバラバラだった兄と弟が、向き合える場所とは…。

イラク戦争。
PTSD。
世間体。
格闘。
お金。
死。
親子。
兄弟。
家族。
愛。
憎。
許すこと。

たくさんの問題が盛り込まれていながら、それぞれの人生のストーリーテリングがしっかりとしていて、ご都合主義なところも涙目で見えなくなるようになっているので、すんなりと号泣してしまった。

アメリカ人 (に限らないと思うけど) の“抱きしめる”という愛情表現は、いつも素敵だなぁと思うのですが、トミーの「許し」のハグには涙が止まりませんでした。