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ウォーリアーのnamのレビュー・感想・評価

ウォーリアー(2011年製作の映画)
3.6
「総合格闘技好きにはオススメ!前半のヒューマンドラマを煽りにした壮絶な兄弟喧嘩!」

NETFLIXでオススメの作品がないかと探していたところ発見。総合格闘技を題材にしつつ、家族ものという事、さらにはマッドマックスのトム・ハーディーまで出演という事で鑑賞。
かつてのPRIDEやRIZINなど会場に足を運ぶくらい総合格闘技が好きな私にとっては大好物のテーマでした。

登場人物はかつてアルコール依存性の父親によってバラバラに生き別れになったしまった兄弟2人が主人公です。
弟のトミー(トム・ハーディ)はかつてはレスリングの学生チャンピオンで海兵隊に入るもある理由で辞めてしまい、総合格闘技を始める。
そして兄のブレンダンは元UFCのファイターだったが娘が生まれたのを機に格闘技を辞めて、今は物理の教師として働いている。しかし現在の稼ぎでは娘の病気の治療費やローン返済もできない程貧しい暮らしをしている。

そんな2人にスパルタという総合格闘技のトーナメントの存在を知る。賞金は500万ドル。それぞれの戦う理由から兄弟はトーナメントの参加を決め、そこで兄と弟が交わる事になるというストーリーです。

総合格闘技といいつつもその背景の家族たちのヒューマンドラマをメイン描いてくれる作品かな?という期待もありましたが、逆でした!これは総合格闘技の試合シーンをメインに楽しむ作品と個人的には感じました。

もちろん離ればなれになった兄弟のそれぞれに闘う理由があったり、アルコール依存症の父親の後悔から来る哀愁や、惨めさなどヒューマンドラマな部分もきちんと描かれていますが、それらは試合を盛り上げるための煽りVという印象です。

煽りVとは悪い意味では決してなく、私は格闘技の中でも煽りVが大好きです。そこで語られる選手の生い立ちや、闘う理由、因縁などを知れるからこそ試合にドラマが生まれ、何倍も感情移入させてくれる装置としての役割があるからです。

本作も後半の1時間はトーナメントの試合シーンが中心となるのですが、それにいかに感情移入して楽しむかの役割を前半が担っています。そのため家族との関係や背景などは試合を盛り上げるためのスパイスとしての役割を果たします。

そして後半の試合シーンがリアルでとても良かったです。実況や試合展開などかなり本格的に感じました。

兄弟のファイトスタイルも弟は猪突猛進なストライカータイプと兄は打撃に耐え忍んで、関節技で逆転を狙うグラップラータイプと対照的です。しかし元軍人という経歴のトミーの謎めいた強さや教師で選手としてはブランクもあり、下馬評が低い兄ブランドンなど、実在していたらありえそうな実況内容や試合展開は非常にリアリティを感じました。

最近観た「ダンガル」がスポーツものとしても家族ものとしても完成度が高すぎたのでどうしても比べると劣ってしまいます。
ヒューマンドラマ要素は消化不良気味でしたが、総合格闘技が好きな方にはオススメできると思いました。
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