アキラナウェイ

ウォーリアーのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

ウォーリアー(2011年製作の映画)
4.5
名作発見!名作発見!!

父は酒に溺れ、妻と2人の息子に暴力を振るった。
弟は母と逃げ、兄は父と残り、程なく結婚した。
母は病に倒れ、弟は誰にも知らせず1人で母を看取った。

それから14年。
父は改心し禁酒して1,000日が経っていた。故郷ピッツバーグの父を弟が訪ねて来る。「酒を飲もう」と。

凄い!!これは名作!!
後半、涙の大洪水!!

兄弟はかつて父(ニック・ノルティ)からレスリングの指導を受けていた格闘家一家。弟トミー(トム・ハーディ)が今もなお憎む父を訪ねたのは、総合格闘技のトレーニングを頼む為。トミーにはある理由から金が必要だった。時を同じくして、フィラデルフィアで高校の物理教師の職に就いていた兄ブレンダン(ジョエル・エドガートン)。妻と2人の娘に囲まれ幸せに暮らしていたが、資金繰りに困り、家を手放さなければならない状況に。彼もまた総合格闘技の道に足を踏み入れようとしていた。

ばらばらになっていた家族が、アメリカで開催される総合格闘技のトーナメント大会「スパルタ」で相見える事になる。優勝者には500万ドルの賞金。

兄も、弟も
決して負けられない理由があった。

幼かった彼らはどれだけ父の暴力を恐れていただろう。決して変えられない過去。戻らない時間。亡くなった母も還らない。

遣る瀬無い。
その遣る瀬無さが、彼らをリングに呼び寄せる。

トム・ハーディ、ジョエル・エドガートン、ニック・ノルティの演技が胸を打つ。

弟のトミーは不器用だけど、誰よりも優しい。孤高のファイターとして、一発KOをキメたら歓声など求めずに颯爽とリングを下りていく。

兄のブレンダンは、自分が築いた家庭を守る為に戦う。負けたら帰る家はない。どれだけ打たれても、冷静に勝機を待ち、絞め技に持ち込んで勝利を捥ぎ取る。

2人が拳を交わすその時。
何度も振り下ろすその拳は勝ちたいからじゃない。
負けられないのだ。
それぞれ背負ったものの為に。

大涙警報発令中だわ。
最後少しだけネタバレです。
















あんなに切ないI love youを初めて聴いた。
最後の最後で、再び酒に逃げてしまった父。
それでもそんな父を抱く弟よ。
やっぱりお前が一番優しい。
でも、父がまた逃げてしまったから
お前はまた独りで戦う事になる。
そのひたむきな姿に又涙が…。