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マスター・アンド・コマンダーのSPNminacoのレビュー・感想・評価

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誇り高き英国海軍のラッセル・クロウ艦長が、医師で博物学者のポール・ベタニーや腹心の部下ジェームズ・ダーシーと共に、最新鋭の敵艦を迎え撃つ。と、血湧き肉踊る海戦の英雄譚のはずだが、そこはピーター・ウィアー監督。艦長を決して英雄とは描かず、海戦シーンよりむしろ子供から老人まで名もなき大勢の乗組員の仕事ぶりを事細かに見せるのがたまらない。船の修復、重傷者の手術、望遠鏡や本や食卓など当時の道具や手さばき、階級差を反映した乗組員の衣装とその顔つき、何よりクラシックな彫刻が施された艦の美しさを、丹念な撮影でじっくりと捉える。マストの天辺に立つロングショットとか、嵐の海で泳いだりとかどうやって撮ってるんだろ…そもそもあの船作っちゃったんだろうか…。
やはりこれも「見えない幽霊」に取り憑かれたファナティックな家長とそれに従う家族の物語であり、いつしかガラパゴスまで行っちゃうところがピーター・ウィアーらしい。しかも、ラッセルとべタニーの関係がまるでカーク船長とスポック博士みたいな良いブロマンス。ていうか、スタートレックはこれ(原作)を基にしてるんじゃないか?
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