まーぼ

マスター・アンド・コマンダーのまーぼのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

海戦の話であるので
当然人は死傷するし悲しい場面も多い。

尉官候補生が水兵にいじめられる所など、
辛いことを何かのせいにせずにはいられない、人間の弱さと悲しさが出ている。
聖書から引用した言葉による断罪のつもりである。言っている方は正義のつもりであるのだ。
大きな組織に属した経験のあるものは既視感を覚えずにはいられないのではないのだろうか。

けれど人間の美しさも叙情的に描かれておりロマンもある。

ドクターとガラパゴス諸島に降り立った時の奇妙なトカゲ達の歓待と、それを見て微笑むドクターと艦長のシーンに顕著だ。

艦長の"This is England"(ここが祖国だ)
という台詞もよい。

「敵の国歌を歌いたいか」
「ノー!」と言う一連の掛け合いから
うかがえる彼らの士気の高さも熱い。

モーツァルトのコンチェルトと共に
慌ただしくまた働きはじめる船の様子が
走馬灯の様に流れるエンディング。
彼らの闘いの日々はまだ続くのだなと思わされる。
過酷な日々が偲ばれるが、観終わった後は不思議と暖かい気持ちになる。
まーぼ

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