三樹夫

ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!の三樹夫のレビュー・感想・評価

3.5
風魔一族の陰謀以来2年ぶりの作品となるルパン三世TVスペシャル第1弾で、監督には出崎統を投入し、絵コンテも出崎統で、これでもかというぐらいに出崎演出がてんこ盛りで、コンバットマグナムが火を吹くハーモニーの連続というカッコいい演出にはしびれる限りである。ハーモニーの他にも、入射光、透過光、三回ズーム、三回パン、リピート、分割画面、パラフィンがけなど、出崎演出が多数盛り込まれている。キャラデザは面長の馬面ルパンで、女にふられて3億ドルの借金を背負ったルパンが泥棒家業に復帰し、スーパーエッグを狙うが、スリーメイソンなる謎の組織も参入し、しかもルパンの行動パターンがすべてコンピュータにインプットされていてという、80年代のコンピュータ感が炸裂している。

果敢にエロも盛り込んでおり、TVスペシャル第1弾で五ェ門はいきなり女に走り(第12弾の1$マネーウォーズでは新興宗教の女宣教師に入れ込んでいた)、イザベルのお礼をさせていただく自由からの、トンネルへの列車が突入は、これは北北西に進路を取れなのかな、とにかく分かりやすいぐらいのセックスのメタファーであり、修行不足なのか下半身の斬鉄剣は鞘におさまってないようで、顔中にキスマークつけて完全に事後だった。イザベルは色気で男を手玉に取るファム・ファタールで、さあママのキスが欲しくないの坊やの、赤ちゃんプレイのシーンは超絶エロかった。その前にマントの裾を足で踏んでるサド演出を含めて、変態の心を掴むシーンであったと思う。

臭い息吐いて人をのたうちまわさせる、ダース・シディアス的キャラがあっさりやられたり(おじいちゃん、美女の裸見て興奮しちゃったのかな)、イザベルの一連の行動が結局何したかったのと結構ちぐはぐだったりするが、テンポ良く次に進め演出で見せきってる。イザベルは、劇場版エースをねらえのような男のマザコン感が詰まったキャラだと思えば、最後らへんも納得はできるが。
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