自分が持っているものから、社会のために果たして何ができるのか?
それを考えたときに、これしかない!と思えるものを見つけた。
だから山田さんは戦えるのだ。
人から見れば、常軌を逸してみえるだろう。
だが、それが一蹴できるほど単純な話ではないんだということを言っているのが今作だ。
もしかしたら、この作品に何も感じられない人がいるのかもしれない。
でも今作には負け犬どもの希望があふれている。
ぜんぜん正しくない世界で、抗おうという人々の血がにじんでいる。
人々は甲子園球児をさんざん消費してきた。
そこからこぼれる子たちの存在も薄々知ってはいる。
なのにその子たちはただ社会から放置されるだけ。
この不条理さに、山田さんは耐えられないんだろう。
不器用でも、信念を持って戦う姿に、何も感じられないやつはカスだ。
少なくとも私はこの山田さんのあり方に心酔した。