Akiyoshi

リトル・フォレスト 冬・春のAkiyoshiのレビュー・感想・評価

4.8
橋本愛の「うまいのだ」という発言が胃をめちゃくちゃにした。
美味しいものを作る工夫は世界共通で、食べていると幸せを感じる。その至福の時間は時に人生の問題すら解決させちゃうのだ。うまいものってすごい。

冬の情景は寂しさを感じる。
橋本愛演じる「いち子」の心情描写が強くなる。ちょっとばかりの葛藤だが、悩める彼女に共感してしまう。
自然の中での自然体である彼女が愛しい。強さも弱さも持っている。
春の情景は賑やかさを感じる。
緑が生い茂り、見る景色が豊かになる。植物の芽吹きには明るさを感じ、山々が神々しい。自然が輝いている。

文句をいいつつも食べ物を美味しくしようとする。手間をかける。手間がかかるつくしの佃煮。春を告げる大切な食べ物として「つくし」を大事にする、という考えが素敵だった。そんな考えを展開する男。いち子同様に私も思うが、同性でも「ロマンを語る背の高い男」がカッコよく見える。現実でも一番モテるタイプだ。
モンシロチョウは害虫らしい。綺麗に見えるのに……。蚊を殺すようにモンシロチョウを殺す描写は驚いた。笑
モンシロチョウには寛大だが、アオムシについては容赦がない。そんな、いち子がまたおもしろい。シリーズを通して「春」が最もギャグセンスが高い。思わず吹き出して笑ってしまうシーンが多々ある。明るい春が笑いで包まれる。なんというほのぼのしさ。

シリーズを通して音楽と猫に癒やされる。さらに橋本愛演じるいち子のライフスタイルと次々に訪れる飯テロの数々。ずっと観ていたい光景である。

『人間は「らせん」そのものかもしれない。同じところでグルグル回りながら、それでも何かあるたびに上にも下にも伸びていくし、横にだって……。
私が描く円も次第に大きく膨らんで、そうやって少しずつ「らせん」はきっと大きくなっている。そう考えたらね。私、もう少し頑張れるって思えた。』

回り道をしながら居場所を見つける。簡単に言ったら人生ってそんなもんなんじゃないかな……と思った。

日本は美しい。四季がある国で生まれることができて良かった。そして日本の美しさに気づかせてくれた本作品には感謝したい。

本当に良い映画だった。