このレビューはネタバレを含みます
いわゆる「凡人」の視点から観た嫉妬と後悔に満ちた悲劇のストーリーだった。
この作品でモーツァルトの印象がガラリと変わった。下品で自堕落な「人間」の私生活を描かれていてショックを受けたけど
Unreliable narratorとはこのことで、あくまでもサリエリから観た、しかも精神が病んだ状態から古い記憶を思い起こしているという点を考慮すればもうひとつの物語として解釈するのが正しいと思う。
実際この映画は真実がどうこうじゃなくて「天才」と天才になりそびれた「凡人」を対照的に描くことでサリエリの不遇な人生を嘆くとともに、最後のレクイエムを二人で共作するシーンで二人の相反する才能は傑作を生み出すためのなくてはならない存在だったということを示唆しているように思えた。
ウィーンのオペラ座で「フィガロの結婚」を観たけど先にこの作品を観とけばもっとオペラを楽しめたのに、、、。
あと劇中の歌のシーンは普通に魅入ってしまって感動した。