ヒラリー

トークバック 沈黙を破る女たちのヒラリーのレビュー・感想・評価

3.8
監督挨拶付きトークバック回にて。
プリズンサークルより好きかも。
暗い過去を持つ女性達
出演者の半数はHIV患者
私自身クイーンが好きだったこともあり病名は知っていたけど小中学性の時はHIVは不治の病、確実に死に至ると思っていた。
薬などの治療により進行を遅らせる事が出来ると知ってはいたが完治までは至っていない現状。
私はHIVに感染している、なんてカミングアウトそう易々と出来るもんじゃない。
下手したら友達も家族の信用を失いかねない。
この事により恋愛も結婚も子供も諦めてしまった女性達
彼女達が何故こうなってしまったのか。
一人一人スポットを当てて自分経験を詩に、芝居に落とし込む。
日本ではセクシャルな話はタブーとされてる部分がある。
生理ですら言うのは恥、という考え方が今でも抜けないし、痴漢やレイプ被害に関してはかなり慎重にならないといけない問題である。
自分が抱える過去や闇を打ち明けることも出来ず、受け入れて生きていく事も難しい女性達の負の感情を解き放つような劇でした。
特に印象的だったのはマルレネの話。
自分の過去に蓋をして忘れ去る事が正しいか否かは分からないけど過去は変えられない。
それでも同じように苦しんでる人間がいて、話して想いを共有出来るのであれば気持ちも軽くなるのかもしれない。
正直メデアのような劇は日本では無理だと思う。
受け入れて前へ進む彼女や他の女性達を応援したい。
ヒラリー

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