【もっとデータを盛り込んだ映画を】
環境保護派ではあるけれど、その中の原発賛成派による映画。
アメリカで原発がサブカルなどで悪者扱いされてきたこと、民主党が安全な原発開発計画をつぶしたこと、など興味深い事実が分かります。
もっとも、この映画で「絶対原発賛成」になる人がどの程度いるのか、疑問です。説得性をもたせるためにはもっと具体的なデータを出しておかないといけないのではないか。
例えば、風力発電はきわめて不安定なので補完のためにガス発電を使わなくてはならないといった基礎知識を示して、環境保護のためと称している風力発電が実は化石燃焼発電を増やしてしまうという実態を観客に突きつける、などのやり方が考えられるでしょう。
多少のデータはたしかに示されていますが（例えば原発大国フランスより、原発廃止宣言を出したドイツのほうが国民一人あたりのCO2排出量は２倍もある、など）、まだまだ不足していると思う。
私自身は原発については、少なくとも当面は安全性をよくよく確認した上で既存のものは使っていくしかないのでは、と考えています。しかし新規設置はなしで。長期的には、CO2を出さずに安全で、なおかつ風力や太陽より安定していて効率的な発電方法の開発をめざすべきだ、ということです。
何にしても、冷静に科学的な視点で物事を考えていくことが大切。そういう意味で、このような言わば反時代的な映画にも存在価値はそれなりにあると言うべきでしょう。
