東京キネマ

おとなの恋には嘘があるの東京キネマのレビュー・感想・評価

おとなの恋には嘘がある(2013年製作の映画)
4.5
小気味の良い会話。ちょっとお洒落なラブアフェアー。決して豊かではないけれど分相応で幸せな生活。エトセトラ、エトセトラ。けれど、一番興味深いのは、これは夫婦という形態では不可能なんだという仮説。

こんなに魅力的で愛情深い二人なのに、何故にこんなに憎しみ合うのか、というのは歳を取らないと分からない世界なのですね。一度強烈に愛し合った二人だからこそ、憎しみの炎が燃え始めると、増幅してしまうものなのです。燃え尽きて、相手を破壊してしまうまで終わらない。だから、客体化して、分析してみたって仕方ないのです。全ては感情のまま。なので「ENOUGH SAID」はダメなんだというお話です。

しかしジェームズ・ガンドルフィーニ、本作の公開前に心不全で急逝ですか。無念でしょうね、これからだったのに。御冥福をお祈り申し上げます。
東京キネマ

東京キネマ