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ヴィオレッタのMaのレビュー・感想・評価

ヴィオレッタ(2011年製作の映画)
4.0
真っ白な肌にブロンドの髪、アイスブルーの瞳の全てが透き通る美しさ。
祖母と暮らす純朴な少女の小さい唇に塗りたくられた真っ赤なリップがなんとも罪深く感じて最初こそ目を背けたくなるものの、カメラを見つめる強い瞳や艶かしい危ない魅力に瞬きさえ惜しいくらい魅入ってしまった。
シューティングのシーンは、みてはいけない秘め事を覗き見しているような感覚でぞくぞくする。
ドレスも撮影の小道具も、どれも本当に目を惹く。美しく危うく、彼女が身につけることで、母の表現しようとする生と死を表現していたように思う。下着や、ベッドに寝そべって、ただただテレビを観ている時のネグリジェですら本当に素敵。

それに相対して、学校での私服には非常に安っぽいhookerのように感じる。
周りの生徒たちの反応も加わり、とても痛々しく見えるシーンであった。
子供のヌードは芸術か否か。
少女がどんなに痛々しく拒否し始めても、あと少しだけ見せて欲しい…となってしまうような、母親が壊れるには、もはや十分な麻薬のような少女の魅力がとてもよく表現されていた。
なんだか美術館に行ったような満足感が得られるというか、色々なシーンをじっくりと観て、心で感じたくなるような作品だった。
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