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ヴィオレッタのnenecoのレビュー・感想・評価

ヴィオレッタ(2011年製作の映画)
4.0
記録。

『普通の子に戻りたい。』

実話ベースということを忘れて、映画の世界観にぐぐっと魅了されていた。
全て観てから、実話だったということを考えると、ヴィオレッタはいつまで母親から逃げないといけないのだろう。
長い髪をショートにして、母親から逃げるシーンがとても印象に残る。

ヴィオレッタ役のアナマリア・バルトロメイが美しすぎて、写真の撮影シーンは観ていてうっとり。
写真の撮影シーンのある映画は好きだ。

一番最初、初めてモデルとして撮影して、授業中にポージングの練習をするヴィオレッタが初々しくて、この時の程度が一番良かったのではないかとも思う。

次第に学校では色々言われ、成績が落ちたことを母親に言っても「あなたが悪い」と言われ、バアバに助けを求めても「何もしてやれない」と言われ、友達の家に遊びに行っても自分の写真が載っている雑誌を見せられ、、モデルのヴィオレッタではなく、一人の女の子ヴィオレッタの居場所はどこにあるんだろう?と思った。

第一、母親も娘の写真を売ってお金があるなら、バアバを病院に連れて行くことだって出来たのではないか?

「美しすぎる娘は母親を狂わせた」と書いてあるが、娘のヴィオレッタも子供らしい人生を狂わされた一人だ。

だんだんと話は重くなるけど、ラストのヴィオレッタの森を疾走する姿がとても気持ち良かった。
母親から逃げているけど、どこか少し「自由」を感じたからかも知れない。
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