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ヴィオレッタのaiioiのネタバレレビュー・内容・結末

ヴィオレッタ(2011年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

親子の関係性のお話。

児童虐待のニュースが多くて悲しくなる。暴力は肉体的なものだけではなくて、精神的なものもある。後者は外からは分かりにくいし、より複雑なのかもしれない。

両親との関わり方は千差万別だけれど、この親子の場合はそれが写真だったということのようだ。母親は写真を通して自分の娘を愛おしんでいたけど、娘は母が自分を商売道具として利用していると感じた。芸術というフィルターを通じてしか娘を愛せない母親とありのままを愛してほしい娘。互いに気持ちがすれ違っているのは明らか。そんな歪んだ親子関係が作品として表面化しているにもかかわらず、それを評価・称賛する人がふたりの関係を拗れさせているように見えた。

母親が愛したのは少女である娘の身体で自分自身ではなかった。施設に入ったあと、女性らしい豊かな髪は少年のような短髪に、威嚇するような濃いアイラインで武装したヴィオレッタの姿は母に対する挑戦かな。「こんな私でも愛してみろ」と。
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