ピュンピュン丸

ゲンと不動明王のピュンピュン丸のレビュー・感想・評価

ゲンと不動明王(1961年製作の映画)
4.5
これは、隠れた傑作ではないか!

小学校で映画鑑賞会でもやるなら、これがいいだろう。もしかして、名作『穢れなき悪戯』の仏教版かと思ったが、それより明るく元気でほのぼのとコミカルでとっつきやすい。

妻に先立たれた?2人の子持ち貧乏住職(千秋実)のところに新しい奥さんがやってくる。そして、この新しい奥さんは事情があって気難しく、男の子はいらないときた。そのため、わんぱく坊主のゲンは大好きなお父さんと妹イズミと離れ離れで暮らすことになるのだ…。

まあ、とにかくイズミが最高。幼い子の無垢な無邪気さはいろんなものを清める力があるなぁ。鳴り響け、鐘の音。イズミの思いを込めて。

不動明王の特撮は円谷英二がやったのかわからないくらいに稚拙。それに声以外は三船かどうかわからないので、世界の三船(このときから世界の三船か?)を使う必要あったのか不明。まぁ、贅沢だけど、不動明王様だからいいんだろう。

笠智衆の先輩住職役は板についている。このままゲンが大きくなって寅さんなら、『男はつらいよ』になっていく気がする。

貧乏も不幸も笑い飛ばしてくれる映画。童話のような素敵な映画だ。

浜美枝と夏木陽介のカップルがとってもイイ!!