これ良いぞ！
ジャンル映画としては異色で、ゾンビにスポットは当たらない。「ゾンビのせいで崩壊したその後の世界で生きる」がこの映画の根幹なのだ。パニックスリラーでは無くロードムービーだ。終わった世界、緊張感の無い男二人の無駄話と長い旅。おとなしい映画なのでゾンビとのバトルを期待していると肩透かしを食らうが、主役二人の気が合わない友人関係や憎まれ口を叩き合う会話劇が面白い。漫画orアニメの少女終末旅行が好きな人は好きかも。
終盤にかけてはゾンビ映画らしいスリリングで暗い展開もあったりして飽きさせない。
あと音楽も最高！アコギやバンドサウンド、エレクトロニック、様々なオルタナティブミュージックがこの世界の演出に一役買っている。
世界が終わってしばらく経った後の、エンドロール後の世界の話。もう未来は無いけど、それでも死にたくない。確実に暗い終わりしかないけど、もうどうしようもないし、今だけを生きる。そんなリアリティがある最高のゾンビロードムービーだった。
