gyaro311

紙の月のgyaro311のレビュー・感想・評価

紙の月(2014年製作の映画)
3.8
そこはかとなく、怖い映画だと思いました。
心のエアポケットを突くような恐怖。
魔がさす、と言うか。
銀行の人によく聞く「ありがちな話」が、
行く所まで行くとこうなる、というのが、
極めてリアルに描かれていました。
映画全体の色調も暗めで、恐怖を掻き立てます。
THE.日本映画!という感じ。

常に見る順番が逆ですが、
『湯を沸かすほどの熱い愛』で
宮沢りえさんの演技が気になり鑑賞しました。
真逆の役柄…
綺麗で、おとなしめで、透明感あって
基本的には、悪いことしなそうなタイプだけど、
穿った見方をすると、あり得なくはない…
凄くハマリ役だと思いました。
池松壮亮さんもほぼ同様の理由で
とてもハマってました。

印象に残ったシーンは、自転車の並走カットと、
ラストの走るカット。
自由で、躍動感があるようにも見えるけど、
ケージの中で、ハムスターが回し車の上を、
走っているのを見て勝手に、
「嬉々として走っている」と思うのと、
似ているような気もしました。
ただ、最後の「走った」方は、
明らかにケージの外へ逃げ出していましたが。

宮沢りえさんと、小林聡美さんの、
「どっちが惨めか」論争が心に響きました。
冒頭の腕時計のくだりを思い浮かべながら、
「結婚=従属」という構図に苦しむ
女性の思いを想像する
よいきっかけとなりました。

早く配偶者控除を
見直した方がよいと思いましたが、
なかなかそうは、ならなそうですね。