キミシマユウキ

ニンフォマニアック Vol.1のキミシマユウキのレビュー・感想・評価

ニンフォマニアック Vol.1(2013年製作の映画)
3.4
寒い雪の夜、独身者のセリグマンは道に倒れている女性ジョーを拾い自宅で治療をしてやる。そこでジョーは性に乱れた自分の半生を語りだして…

『ドッグヴィル』『ダンサーインザダーク』の
!!ラースフォントリアー監督!!
による色情狂女性の人生を描いた前後編5時間半の大作。
べ、べつにエロ目的で観たかったわけじゃないンダカラネッッ鑑賞。


「私が人と少し違う部分は、夕陽に多くを求めすぎたのかもしれない」


R18なので(期待した通り)やっぱりHなシーンは多い。
電車の中で端から回って何人の男性とSEX出来るかゲームしたり、一日で7人とのSEXのスケジュール管理をしたりと超絶奔放な自分の性生活を語るジョー。
それに対して自分が読んできた本の知識で絶妙に合いの手を入れまくるセリグマンとのやりとりがどこかおかしく不思議と楽しい。
SEXしまくってる女性の話なのに釣りやフィボナッチ係数に例えていく彼の博識っぷりとちょっとズレた感覚が視聴者を引き込んでいく。
まぁエロ目的のみで観ると意外と面白く感じないかもしれないが自分はそれ以外での映画的部分で普通に楽しめた!
え?いやいや僕はエロ目的じゃないですよ!?

色情の女にシャルロットゲンズブール。
あまり綺麗だとは思わないおばちゃん。前編の今作では若い頃のジョーがメインだったため細身スタイルで若いステイシーマーティンがエロシーンをこなしてくれていたからまだ眼福だったものの、後編はシャルロットがメインと聞いて今からがっくしきている。心も身体も…
独身セリグマンにステランスカルスガルド。
トリアー監督常連の彼が今作で演じたのは(恐らく)童貞の博識おじちゃん。たとえ話する時に輝く目は少年のようだし、ジョーに怒られてしょげてる顔も少年のよう。つまり童貞。
他にも因縁深い男性に『トランスフォーマー』のシャイアラブーフ、一番面白いエピソードのキャラに『キルビル』のユマサーマンなど意外と豪華なキャストでお送りしていた。

単なるエロでなく、しっかり哲学してきたトリアー監督。
まだまだ前半なのでこの後どうなるかわからないが後編でどう締めていくのだろうか…

エロ目的の人、エロ目的の人、トリアー監督のファン、そして自分のようにエロ目的じゃない人にはオススメの作品。