ジャッキーケン

ニンフォマニアック Vol.1のジャッキーケンのレビュー・感想・評価

ニンフォマニアック Vol.1(2013年製作の映画)
3.7
冒頭、道端に倒れる主人公
画面が真っ暗で何も起こらないと思った瞬間に爆音のハードロックでビックリさせにくるイントロは「ファニーゲーム」みたいで中々ウザい、ここから悪夢の始まりだぜぇって期待を寄せたが本作はトリアー作品の中では平坦で尖ったものがない

ステランスカルスガルドに保護された主人公シャルロットゲンズブールが自らを「色情狂」と名乗りその肩書きに反しない今までの半生を語っていく

セックス!セックス!セックス!
セックス万歳セックスプロパガンダ映画!18禁だから2時間満遍なくセックス半生が描かれていく、シャイアラブーフに処女を捧げる初体験、親友Bと共に列車の中で何人とセックスできるかを競い合うゲーム、そのゲームから生まれるカルト
「ダンサーインザダーク」のような可愛そうなミュージカル映画からラストでどん底に突き落とされる鬱映画ではなく鬱度は低い
そこは2への奈落に突き落とす布石なのか1は主人公のセックス事情を赤裸々に描いてるだけなのでそこまで衝撃度はない、「フィフティシェイズオブグレイ」みたいにSMに突っ切った感じでもなくエゲツない数をこなすセックス狂をまじまじと見せつけられるだけ

処女を奪われてから2度としないと決めたセックス。だが回数を重ねるごとに止められなくなっていく性欲、毎晩7、8人とセックスする中毒、その行為によって家庭を破滅させてしまう鬱要素は流石トリアーでした。ユマサーマンが乗り込んできて子供達に淡々と「パパはね、ここでこの女とヤッたのよ」がブラックな笑いを引き起こす

主人公が語るセックステクニックを趣味の釣りと絡めるステランスカルスガルドは2にどう絡んでくるのか気になる

感じていた何かを失ってしまう2への繋ぎは突然やってくる
前後編だから繋ぎ感はあるけどvol1だけで良いよってぐらいボリュームがあります
むしろvol1だけで完結したらある程度の鬱映画だよ。
2はどんな終わり方をするのか、果たして失った何かを取り戻すことができるのか、セックス依存症を克服できるのか、トリアーだからありきたりな終わりにならないことを願って2に望みます