大阪繁華街のパチンコ店に勤務する釘師の青年（石井まさみ）が、悪友（安達清康）の恋人（芹明香）を横恋慕してしまう。主人公の「童貞エレジー」を喜劇調に描いている、日活ロマンポルノ。主題歌は間寛平の同名コミック・ソング。
融通無下な世界観が徹底的に作り込まれているため、ゲップが出そうなほどのトゥーマッチ感に見舞われる。シュールなイメージ映像を何度もカットインさせる手法は、テレビ版「モンティ・パイソン」の模倣を感じさせる。
ゲリラ撮影では、男女3人がラーメン屋台を引きながら痴話喧嘩するシーンと、芹明香の降臨を待ちわびる主人公が「生き地獄やー！」と絶叫しながら雑踏の中を全力疾走するシーンが絶品。絡みのシーンでも、常に男女が変な会話をしているところが笑える。
丘奈保美演じる女パチプロ師の見た目が「五劫思惟阿弥陀仏」のようであり、なおかつラストにあーなってしまう。パチンコとセックスを重ね合わせる論法が噴飯ものだが、疾走感に圧倒されっぱなしの鑑賞を楽しむことができる。
