イチロヲ

でんきくらげのイチロヲのレビュー・感想・評価

でんきくらげ(1970年製作の映画)
3.4
母が情夫を殺害したことにより生活困窮に陥った娘が、水商売をしながら女の生き甲斐についてを模索していく。増村保造監督が得意としている、列記とした女性映画。

母の情夫に強姦されて、生まれて初めて独りきりになった19歳の娘が「若さと肉体を武器に世渡りする術」を身に着けていく。服役中の母の知らないうちに「娘が母を乗り越えていく物語」という側面もある。

ホステスに出入りする男たちが、そこに従事している主人公によって翻弄されるという展開がメイン。客人に体を売っているあいだは八方美人になり、素の状態に戻ると「増村演出のイカれた芝居」になる。この対比が珍妙なグルーヴ感を生んでおり、ハチャメチャな物語展開も相まって、何度も笑いを誘われてしまう。

これといって特筆するところのない及第点の作品だけども、「周りに敵をたくさん作るぐらい悪知恵がはたらかないと出世できない」というメッセージ性は、今現在にも通じる普遍性がある。