THE DEPTHSの作品情報・感想・評価

「THE DEPTHS」に投稿された感想・評価

一瞬そうなったように見えたが道は交わらなかった。

死ぬまで消えない爪痕をお互いに残して、それぞれの場所へ帰る。
再び会うことはないだろう。

石田法嗣さん…不思議な存在感。そして独特の色香。
ただのヤンキーがカメラの前で変化してゆく様に鳥肌が立った。

『カナリヤ』の少年。
その頃からほとんど印象が変わらないことにも驚く。
SKE

SKEの感想・評価

4.0
石田法嗣がドニ・ラヴァンにみえた。冒頭結婚式映画。まさしく結婚が「はじまり」に過ぎないことの最たる例。男娼たちの控室のマジックミラーとか、夜の道路での「遠くに逃げろ」のシーンなど、ノワール映画として面白い。『ドライブ・マイ・カー』の多言語劇、欠航する飛行機、併走する車の主題は既にあった。
・「DEPTHS」は他人の深さであり、自分の深さでもある。

・リュウの存在感が、後半にかけ明らかに深くなっていくように感じた。
 カメラを向けることが、眼差しを注ぐことが、リュウの(人間の)深さを露呈させることになり、結果的にリュウの存在を深めていく。

・真正面からリュウをとらえたカットには、小津安二郎監督の「東京物語」のラストカットからの影響を強く感じた。

 あそこに映った奇跡ともいうべき嘘のない人間の反応(その深さ)。
 それを、どうすれば再現できるのかということは、濱口監督が最新作の「ドライブ・マイ・カー」まで追っているテーマなのだと感じた。
(そして、ドライブ・マイ・カーで達成されたように思う)


・人の深さを見つめることで、自分の深さにも向き合うことになる。
 ストレートである自分の中にも、同性愛的な部分はあるのだろうか?
 その深さまで自分を見つめていないだけではないのだろうか?

・PASSIONのラストが、肉体まで含めた自分の深さに反応できたラストだとしたら、
 THE DEPTHSのラストは、自分の深さに向き合いきれず、肉体を裏切ったラストだった。

ゆえに、シャッターは間に合わず、二人が再開することはない。
彼はチャンスを逃したのだ。
中庭

中庭の感想・評価

3.7
ゲイ・コミュニティの撮り方に納得しづらい部分もあるものの、国籍を越えてファインダーを挟んで関係を深める二人の姿には心打たれる。撮らない、と告げられたときの石田法嗣の投げやりな態度。
kaksep

kaksepの感想・評価

-
時空に磔にされ滑っていくままならぬ容れ物そのなかでどこまでも視ることが叶う 視あってよ
客の殺害がバレた木村が車からリュウを降ろし、走り去ろうとする車にリュウがすがりつき、その後やって来たタクシーにリュウが乗り込むまでを捉えたワンショットの場面が印象に残った。濱口作品にしては会話(日本語と韓国語にせよ同言語にせよ)が短くて面白みがなく、この点は不満。結婚直前の逃走(寝ても覚めても)、韓国への渡航(ドライブ・マイ・カー)、ラストの分岐(親密さ)など、後の濱口作品のモチーフが出ていたように思う。タイトルのDepthsはどういう意味だろう?写真の深度と、人と人とが関わり合う深さがかけられているのか。
para

paraの感想・評価

4.0
濱口竜介監督 2010年作品。

濱口印とも言える俯瞰からの街と電車が走る様が雄弁。
不意に映し出される神懸かり的なショットに唸ってしまう。
ラストが秀逸。
あとは東京の街が朝から夜に変化するほんの数秒。やられたぁ〜

物語としては誰にも共感出来ないのだが、役者の眼差しの切り取り方が凄い。
しかも鑑賞中よりも後から後からじわじわあと引くスルメのような作品。

レイト上映。ほぼ満席だったのでは。
Dan

Danの感想・評価

4.1
「撮れない」ことを撮ることができるという面で写真に対しての映画の優位が示されていた気がする
最近のものと比べると人物の虚構っぽさが強い
ritsuko

ritsukoの感想・評価

4.2
監督作品は女の世界を描くことが多いのかなと勝手に思っていたけれどこの作品はまた描き方(覗き方)が違って新鮮でした。
でも、ラストシーンは親密さに近しい終わり方で、濱口竜介味がでておられました(好き、苦しい)

一韓国映画として観られたのでいつもよりすっきりとした感覚。
カメラを通して見える貴方。

このレビューはネタバレを含みます

中盤まではあまり乗れず、「微妙…これ濱口監督じゃなかったら観ないな…」と思っていたが、

マジックミラーがつんと叩き割り、
雷鳴からの停電/電気ついたら予想外の位置に移動してる、
リュウの茶髪スキンヘッド、
着いていく/いかないの関係がコロコロ変わる、
ラストのキャメラがやや下向きになるところとか、
凄いもん見たなぁとなった。


多言語、出会い頭の劇的さ、乗り物、好きの気持ちに突き動かされる感じなど、
他の濱口作品との繋がりにもホクホクした。
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